盆栽屋の本格的な春は、何といっても2月初旬の「国風展」で幕を開ける感じで
作業もそのころから忙しくなり、人々の動きも活発になってきます
加えて今年から、同じく上野の都立美術館で日本水石協会主催の第一回「日本の水石展」が同時開催されことになったので
スケジュールの混雑は個人的にも覚悟はしていたのですが
日本列島をまるごと呑み込んだあの大雪のせいで
身動きはとれず、雪かきで疲れるわ、たいへんな2月になっちゃいました
そんなわけで、やれやれ2月の〆は下旬の第37回の「千葉県盆栽名品展」かな、と思っていたところ
30代のころからお付き合いのある隣市のYさんから突然電話があって
「おれだよ、しばらくなんで忘れちゃったかよ、おれだよ、おれッ
持ってる長寿梅、ぜんぶ売ってやるからすぐに遊びに来いよ」
そういって電話のむこうで笑っているYさんでしたが
一瞬のうちに記憶をたどってみると、そう、たしかにこの10年くらいは空白になっていました
まったく盆栽人の時間の観念は悠長なもので
年単位どころか、人生を長くやってきたせいもあって、とうとう何十年単位になってきちゃいました(笑)
Yさんは五葉松や黒松、雑木類では長寿梅が好きなベテランの愛好家さんで
私の目から見ると、特に長寿梅の培養が上手で、年は私よりも半周りほど年上の静かな方です
むかし、上手に仕上がった長寿梅の株立ちを
しぶるYさんに無理をいって何度も分けていただいたのをよく覚えています
さて、そのYさんの電話の要件は、盆栽の数が多くて手が回らなくなったので減らしたい
ついては私にその処分を頼みたい、そういうことでした
数日後にお訪ねしたYさんの日当たりのいい盆栽置き場で
想い出話に華を咲かせながら譲っていただいたのが、↓の画像にある長寿梅20鉢
Yさんは私が長寿梅大好き人間であることを覚えていてくれたんです
それでお声をかけてくれたんですね、これには感激しました
「ミヤちゃんはおれの作った長寿梅、よくねだりに来たっけな」
Yさん、お声をかけてくれてありがとう、そして、こんども格安で譲ってくれてありがとう
それにしても、今年の2月はまたまた忙しくなりました、とても〆どころではありませんよ
これだけ大形の長寿梅、ムロ出しの時期が来たら、我が家の棚には置ききれませーん
樹高65cmの長寿梅株立ち
薄型の楕円鉢は間口70cmもあるんです(大きいなぁー)
枝のほぐれが凄いでしょ
培養管理もよく樹勢も最高
こんな感じの長寿梅が20鉢
Yさんが愛情を注いできた宝物です
長寿梅の魅力は、何といっても木肌の荒れと小枝のほぐれ
その点はYさんの培養は完璧、枝先の適切な摘まみ込みでご覧のように密な小枝がみごとです
樹形も、単幹、双幹、株立ち、吹き流しなどと多様で
あれこれとしばらくは楽しめそうです
そんなこんなで、とても忙しい2月となりましたが
さて、3月はどんな日々になるのでしょう
ともかく、がんばります!
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