2012年10月18日木曜日

きんず培養法のポイント

小品やミニの実もの盆栽として、たくさんの魅力をそなえているきんず
品種的な人気も高く、愛好家が一鉢は持ちたい樹種のひとつには必ず入るでしょう

実生の発芽率もいいので、繁殖はいたって簡単だし
取木も発根しやすいので、初心者でも容易にいい素材がゲットできます

晩秋から冬にかけて、黄金色に熟した小さな実と濃い緑色の葉との対比がじつに美しく
培養を重ねるごとに、木肌は暗褐色となり次第に縦縞が入って古色感をおびてきます

なのになぜか、大品中品はおろか小品やミニの世界においても
市場に出回るきんず盆栽の数は、他の樹種に比べて極端に少ないのが実情です

また、愛好家さん達にもきんずに対する苦手意識を持つ方も多くて
手を出すのを躊躇しているのに、よくお目にかかります

これはひとえに、きんずの正しい培養法が
しっかりと愛好家さんたちに伝えられていないためだと思われます

専門家のプロの間でさえ、「きんずは寒さに弱い」
ただそのことだけがいい古された合い言葉になっていて、もう一つの肝腎なポイントについてはあまり話題になりません

きんずは温暖な気候を好むと同時に
根の過湿(過水)を極端に嫌う性質があるのです

ですから、具体的なきんずの培養法としては、冬の寒さを防ぐとともに
入梅や冷たい秋雨などには、ぜったいにあててはいけません

長雨による過湿で根の活動が悪くなって衰弱の原因になります
また、いちど衰弱した根はその年のうちにはなかなか復活しにくいものです

しかし、水は好みますから、水はけのいい用土で植替え
乾いたらたっぷりと水やりをやることは必要なことです

これらのことが、具体的に専門から愛好家さん達に伝えられていないために
せっかくの愛樹を弱らせたり枯らしたりして、きんずから遠のいている方々も多いと思います

私は、春から秋までの生育期間中、日当たりのいい雨のあたらない軒下のような場所に置き
過湿にならないように気をつけながら、乾いたらたっぷりと水をやり

冬は厳重にムロ囲いをします
その場合は、霜に当てないことと凍らないことが最低限の条件ですね(5℃以上なら理想的)

くどいようですが

1 寒さ対策
2 成育期の鉢内の過湿

このふたつを克服すれば、きんずは絶対に元気に育ちます
それを信じて、この魅力あふれる樹種に親しんでいただきたいものです

過去のつれづれ草でもこのことはお話ししたつもりで、重複すると思いますが
みなさんにきんず盆栽に親しんでいただきたく、再び取りあげた次第です

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2009/5/19   2009/6/19   2009/8/2



超ミニのきんず

甲羅状の足元が魅力的です
徒長させている新芽の色もいいですね

このきんずの超ミニ
さる愛好家さんから放出されたものですが

じつは、植替えのさいに確かめたところ
こんな大きな甲羅なのに子根が数本しかなかったそうで、慌てて仕立鉢に植えて養生していたところです

葉色や芽の勢いがいいので、子根が少ないのを承知しながら
自分のお楽しみ用に買ってきたものなんです



きんず専用の置き場に収って1ヶ月以上経過、秋も深まってきましたが、元気元気
来年の雄姿をみなさまにお見せすべく、この冬はしっかり面倒見ますよ



後ろ姿



将来はこんな風に作り込んだらいいな
きんずのいいところは、他の樹種よりも極端に形成層が厚いため、かなり大きな傷を作っても肉は巻きます



樹髙13㎝

入梅にも冷たい秋の長雨にもあてないで育てれば
こんなに葉色もよく、樹勢は順調です、鉢内もよく乾きますよ



今月の初めごろに入手したきんずの中品
きっと、ありきたりの培養をしてきたのでしょう、樹勢は良くも悪くもなく、ふつう程度

でも、このくらいでは飛躍的な成長は望めませんよ
秋になったからといって、ご覧のように簡単に古葉が黄ばむようでは、樹勢がノリノリとまではいきません



来年の今ごろには、深い緑色の葉がいっぱいに繁っているような作柄にしたいもの
それには、冬の保護を厳重にして、5月頃に植替え、入梅や秋の長雨にあてずに、きんず培養のセオリーに従います

よろしいですか、みなさん!

きんず培養のポイントは、寒さと長雨対策ですよ

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