2012年4月21日土曜日

くちなし取木根さばき

親しい同業者の棚でくちなしの取木(発根済)素材を見付けました

聞いてみると、昨年中に取木発根したもので、既に傷口の処理はされていて、これから本格的な根さばきをするところでしたが
ちょっと渋る彼を説き伏せてやや強引に買い上げる

このあたりは盆栽屋のわるい癖で、根さばきがすんで姿が見えるようになってからの方が安全でいいに決まっているのに
足元が姿を現したときにどんな姿になるのか、夢を見ながら自分でやってみたいんですね


正面から


上部から

この2つの画像から見ると、甲羅状の株立ちを作る意図で取木をかけたように見えますが
施術した本人に聞いてみると、単幹の模様木らしく、立ち上がりは用土と水苔に隠れているそうです

これからその単幹の模様木の根元をさぐってみます


まずは根元の下側から攻めるために
おおよその見当をつけて、根のかたまりを半分に切ります


竹箸でていねいに用土を落としながら根元をさぐっていきます


かなり上がったところに、親木から切り離した傷口を見つけました
生育が順調なので傷口のおおよそは肉巻きしており、あとわずかで完全治癒ですね


下側から根元を探り当てたので、方向をかえて、こんどは上から攻めることにします


千枚通しで示した根は本来の根元ではありませんから、慎重に少しずつ下に向かって根元を探っていきます


目指す単幹の足元が少しずつ見えてきましたね


ついに単幹の足元が姿を現しました

環状剥皮した部分から上の、水苔に覆われていた部分にかけて何段にも発根していた根を
最小限まで減らした図


ほとんど必要な根だけ残されてボディーだけになっていますから
1年間は仕立鉢に入れてじっくりと肥培管理します

でも、枯れるようなことはありませんよ
挿し木だって活着しやすいくちないのことですから、心配いりません

もう一度来春に根の発達を見とどけてから
本格的な木作りに入ることになるでしょう

それでは
来春まで私の棚にあるようでしたら、またご紹介しましょう

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