2019年8月23日金曜日

山もみじのハサミ作り

盆栽用語にハサミ作りという言葉がありますが、みなさんはご存知ですか?
まあ、小品でも普通サイズでも、ある程度のレベルでがんばっている愛好家さんなら、ほとんどが知っているはずですが・・・・

樹高11cm×左右18cmですが実物を手に取ってみると、骨格部分だけならずいぶんと小さく締まってできています。葉と葉柄がガサを大きく見せているんです。ですから、来年の春に植え替えと同時に、輪郭線を2周りほど小さく切り込んでやれば、葉ガサは現在の半分になって、ずいぶん小型になるでしょう。樹齢はおおよそ20年は経っているでしょうね。

足元を拡大して見ます。足元が力強く足元の太さは鉢いっぱいです。
ここでポイントのハサミ作りですが、足元から右へ出た子幹や左へ伸びた枝に、人工的な模様(針金の)は見られませんね?
ハサミで切り返してできた模様を利用して幹や枝に模様をつけてあるのです。その技法を表す言葉がハサミ作りなんですね。

針金で人工的に幹や枝に模様(曲)をつけた盆栽と違って、ハサミ作りの枝ぶりは、自然な雰囲気が持ち味です。きらびやかな派手な感じよりも素朴で自然な感覚を大切にしています。

後ろから見た姿ですが、枝元(えだもと)は素朴ながらもけっこうな模様が入っていますが、枝先はまだ直線的で間延びがしたままですね。ですから、来春に植え替えと同時に切り込みを実行し、新しく吹いた芽を選んで新しい小枝を作って行く予定です。

特に超ミニ盆栽の場合、針金での作業はごく補助的な範囲にとどめ、8~9割りはこのハサミ作りで作り込むのが基本です。はるかに時間のかかる培養法ですが、仕上がり後の枝先の深い味わいはこの方法ならではのものがあります。
みなさんも、ハサミによる枝の追い込み(切り込み)作業をしっかりマスターして盆栽作りにチャレンジしてくださいね。


0 件のコメント:

コメントを投稿