2014年11月26日水曜日

楓株立ち改作


改作前の頒布コーナーの画像

熱心な愛好家が20年前に取木をかけて作り込んだ楓株立ち
自然味にあふれた幹立ちと長年の丹精を物語る枝先のほぐれが見どころです

有している素質からみて、あと5年ほどの適切な培養を重ねれば
小品棚飾りの脇置きや三点飾りの添えとして、国風展など一流展示会に出品可能です

上記のような解説つきで現在も頒布コーナーに掲載していますが
改作中なので今では姿がずいぶん変わってきました

この先もどんどん変化しそうな勢いなので
一度その過程をご紹介しておきましょう


現在の姿

まず一番の変化は正面を替え、前枝を取り木して外したこと
それに、幹筋と枝分かれの基本を整えるために大幅な剪定を敢行したことです


頒布コーナーの画像

正面を変えたために赤点が前枝となってしまい、足元が隠れてしまいました
そこで、その枝に取り木をかけて発根後元から切り落としました


現在の姿

赤点で示した部分に手前に向かった前枝があったわけですね
それを外したために、足元の座や幹立ちの様子がよく見えるようになりました


そして、今までは四幹か五幹か一見してはわからなかったのが
足元がすっきりしたために、はっきりと四幹とわかってしまいました

株立ちは、一見で数えられない6や8になれば偶数でも差し支えありませんが
やっぱり4本幹はちょっといただけないですね、すぐに目算されてしまいますからね

じつは、それを見越して前枝を取り木しておいたんですよ
そうです、同じ葉性の苗木を赤点の位置あたりに植え込むためですね


取り木をした前枝

来春にこの苗を親株の根張りに密着させて植え込みます
木肌の古さと葉性は同じなので、枝ぶりさえ調整すれば、やがて根と根が癒着して同の株になります


現在の株に密着させて植え込んだ想像図


現在の後ろ姿


現在の後ろ姿の拡大図


現在の後ろ姿の足元拡大図

今後の培養方針

1 来春に1~3本くらいの取り木苗を親株の根元に密着させて植え込む
2 植え込んだ素材と親株との枝のバランスをとり全体の姿を整える
3 葉刈りや芽摘みによって小枝を密にする

機会がありましたらまたお目にかけましょう
毎年の充実が楽しみな有望素材ですから

では

2014年11月10日月曜日

地元の盆栽会・創立45周年記念展示会

さてさて、月日の経つのはまさに早いもので
私の住む千葉県松戸市の盆栽会が創立45周年を迎えました

私も相談役的な立ち場でずーっとお付き合いさせていただいたおかげで
中には家族ぐるみの交流をするなど、切っても切れない親友関係の方々もたくさんいらっしゃいます

ともかく盆栽が取り持つすばらしい人間関係ですが
年を経るごとにその有難さが身にしみて感じられます


11月1日に行われた懇親会
真中の赤いネクタイが会長の真嶋誠一さん

会員数は30名(女性2名)
懇親会への出席は20名、料理もおいしくて賑やかで盛り上がりましたよ


さて、45周年を記念しての展示会
30名中、27席の展示です

松戸市の施設なのでたった2日間の開催だったのが
ちょとばかり惜しかった!

ちなみに、この記念展示会での私の役目は展示の責任者
第一と第二に分かれた会場のコーディネートは難しいけど楽しませていただきました


入口には草もの盆栽を飾ってお出迎え


第一展示室には正面に真柏の大物を飾り
梅もどきの中品と菊花石を左右に配しました


展示室の中央にやや大きめの草もの盆栽を置いて季節感を演出しました


特別招待出品された水石2点


松戸市内の浮ヶ谷勝利さん愛蔵の加茂川糸掛石(いとかけいし)
水石界でもその名を知られた名品です


さて、盆栽に戻りましょう

中央の山もみじは国風展入選経歴をもった名木
落葉後の枝先の柔らかさが見られないのが残念ですが・・・


第一展示室から第二展示室へ移動しながら
小品や中品を見られるように工夫してみました


松戸市内の愛好家さんは大物サイズ盆栽中心の方が多いのですが
小品から中品専門の方も3名いらっしゃって、これがなかなかレベルが高いんですよ


第二展示室


第二展示室


第二展示室のメインは、順路の最後となる赤玉石を配した五葉松2点


右の根連らなり五葉松、佐渡赤玉石をはさんで左に五葉松吹き流し

ちなみに、盆栽飾りの基本から見ると、同じ樹種が隣同士にならないようにするのですが
次のような理由から並べて飾ってみました

1 他の出品物に両者と一対に配する適当なものがなかった
2 同樹種ではあったが、両者とも樹形がかなり個性的だったので、それほどの違和感がなかった
3 順路の最期の飾り席を力強い感じにまとめて、見終わった観客のみなさんの心に余韻を残したかった

以上、速報でした