改作前の頒布コーナーの画像
熱心な愛好家が20年前に取木をかけて作り込んだ楓株立ち
自然味にあふれた幹立ちと長年の丹精を物語る枝先のほぐれが見どころです
有している素質からみて、あと5年ほどの適切な培養を重ねれば
小品棚飾りの脇置きや三点飾りの添えとして、国風展など一流展示会に出品可能です
上記のような解説つきで現在も頒布コーナーに掲載していますが
改作中なので今では姿がずいぶん変わってきました
この先もどんどん変化しそうな勢いなので
一度その過程をご紹介しておきましょう
現在の姿
まず一番の変化は正面を替え、前枝を取り木して外したこと
それに、幹筋と枝分かれの基本を整えるために大幅な剪定を敢行したことです
頒布コーナーの画像
正面を変えたために赤点が前枝となってしまい、足元が隠れてしまいました
そこで、その枝に取り木をかけて発根後元から切り落としました
現在の姿
赤点で示した部分に手前に向かった前枝があったわけですね
それを外したために、足元の座や幹立ちの様子がよく見えるようになりました
そして、今までは四幹か五幹か一見してはわからなかったのが
足元がすっきりしたために、はっきりと四幹とわかってしまいました
株立ちは、一見で数えられない6や8になれば偶数でも差し支えありませんが
やっぱり4本幹はちょっといただけないですね、すぐに目算されてしまいますからね
じつは、それを見越して前枝を取り木しておいたんですよ
そうです、同じ葉性の苗木を赤点の位置あたりに植え込むためですね
取り木をした前枝
来春にこの苗を親株の根張りに密着させて植え込みます
木肌の古さと葉性は同じなので、枝ぶりさえ調整すれば、やがて根と根が癒着して同の株になります
現在の株に密着させて植え込んだ想像図
現在の後ろ姿
現在の後ろ姿の拡大図
現在の後ろ姿の足元拡大図
今後の培養方針
1 来春に1~3本くらいの取り木苗を親株の根元に密着させて植え込む
2 植え込んだ素材と親株との枝のバランスをとり全体の姿を整える
3 葉刈りや芽摘みによって小枝を密にする
機会がありましたらまたお目にかけましょう
毎年の充実が楽しみな有望素材ですから
では