2001年6月9日土曜日

美人薄命

昨日の箱根サンショバラの項で、美人薄命、という言葉を使って思い出したことがあります

むかしむかし若い人妻が病院へ診察を受けにいったところ
端正な顔立ちの、これまた若い医師が
静かにそしてなまじめにいったのです
昔から美人薄命と申します、貴女もくれぐれも気をつけなさい

その人妻の病気は幸い軽いものでしたが
幼い頃から病弱だった人妻は、その一言に深く感動しました
美人薄命!美人薄命!
美人薄命!
何度もその言葉を心の中で反芻しながら診察室を出ました

それ以来というもの、その人妻の顔色は日増しによくなり
数年を経ずして、人並み以上の健康体になりました

性格も、明るい活動的な女性に生まれ変わりました

何を隠そうその人妻は、うちのかみさんなのであります
その若い医師も、現在ではすでに老境に入っていますが
いまだ現役で、私もかみさんもかかりつけです

私がたまに血圧を計りに行ったときなどに
奥さん丈夫になったね、などと
昔話になることがあります
先生のおかげです
私は素直に感謝の意を述べながら
心中、この先生こそ名医中の名医だ!と思っているのです

たったの一言で病弱だったオカチメンコをその気にさせて、健康で元気な人間に生まれ変わらせてしまったのです
昔、医は仁術と申しました
現代では、医は算術などという口の悪い人もいますが
私は断じて、医は話術であると信じています!

美人!
美人!
美人!
薄命!
薄命!
薄命!女性はこの言葉のどちらに、より比重を置いて受け取るでしょうか?
それは自明の理というやつですね
たとえ短い命であろうとも美しく生まれたい!とおっしゃるに違いない

ところで、未だ私にもわからないことがあるんです
果たしてこの先生は、男性の患者に対してはどんな話術を用いて
医術を施すのでしょうか?
果たして、男性に対する殺し文句(活かし文句というべきか)はあるのでしょうか?
男性を嘘でもいいからその気にさせる言葉とは?
まさか、美男薄命では生き返ることはできないよね!

今日は、盆栽とは全く関係のない話でごめんなさい、でした

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