2009年12月5日土曜日

芯作り・実生かりん

「いち幹、に枝、さん根張り」
みなさんもご存じでしょうね、これは昔から盆栽のいちばん大切な構成要素を表すことばです

たしかにこの三要素は盆栽の基本であり究極の目的ですから
それらが貧弱では話にはならないのは確かなことです

が、しかし、逸品や名品と認められている盆栽たちをよく観察すると
例外なしにこの三要素に加え樹冠部の作りがじつに適切でうまくできています

たとえばかなりのレベルで盆栽三要素を具えた骨格を有した盆栽でも
樹冠部の作りが、首なが、デカスギ、ゴツゴツだったりすると、まず名品への道は無理になります

樹冠部(芯)は人間に例えると「顔」にあたります
ですから、芯の長さや大きさや向きなどにより、間延びしたボンヤリ顔になったり、オッカナイ顔になったりします

やはり顔つきは樹種や樹形により、にっこり微笑んだ愛嬌や、きりりとしまった凛々しさがほしいですね
やっぱり活き活きとした表情が大切ですね

そして、盆栽を作り込む場合ほとんどは下から出来上がっていくため
樹冠部の作りには特に作者の腕前が見えちゃうんですよ

あなたの盆友で腕前のいい人の盆栽を見せてもらったらいいでしょう
例外なくその盆栽たちの顔の表情は活き活きとしてはずです

また改めてご自分の盆栽を眺めてみてください
愛嬌に満ちていますか? 凛々しい顔つきですか?

もしぼんやり顔でよそ見をしていたら、これを機会に思い切って改作して
顔つきを改めなくてはいけませんね


実生かりん、今までの所有者が枝の剪定などずいぶん頑張ってきたことは理解できす
しかし、樹冠部が長いうえにゴツイ枝が数本あり芯が決まっていません

これだといくら下の方の枝の剪定をマメにしても
何時までたっても顔の表情が見えず、この盆栽の人柄が不明です


下の赤点のゴツイ枝を外しました

新しい芯の長さからみると、真ん中の赤点が理想的な位置です
ちょうどいい位置に小枝もありますね

上の赤点は第二候補の位置
左右に小枝がありますから、その点ではかなり有力です


芯を切り詰める思い切りとタイミングはじつに難しいこと
今回も理想的な位置まで切り込むとその下の傷口とかなり近くなります

それとこれから冬期に入る時期とが重なりました
よって、安全策をとって取りあえず中間の赤点の位置までの切り込みで我慢しました


傷口はカットパスターでしっかり保護


一応の作業は終了です
やはりこの時点での切り込みはやや浅い感じですね(まだ頭が長い感じ)

来春かそれ以降、樹勢などを考慮しながら
必要であればさらに芯を短く切り詰めようと考えています

それではみなさんもご自分の盆栽の顔をしっかりと見直してくださいね
ではでは

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