どのようにしてこのような樹形が出来上がったのでしょう?
自然界の不思議を感じさせる甲羅吹きの山もみじ
過去にタイムスリップして、この甲羅吹きの成り立ちを調べてみたいものですね
樹齢は?甲羅吹きの基本樹形はどうやってできたの?人の手が入ってからの歳月は?
興味と疑問はつきません
さて、つれづれ草でご紹介したのが2007年ですから
私が手がけてからは三作目になるわけです
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正面図
やや上方よりの図
過去2年半前比べてみましょう
幹の本数や基本の姿はほとんど変わってはいないはずですが
甲羅の迫力に見合った枝張りの充実により、スケール大きな構図が感じられるようになりました
甲羅、幹筋、枝、次の枝、小枝へと盆栽の基本の筋に流れが出て
枝の先端に柔らかさも表現されてきました
一作目は枝筋の基本作り
二作目は基本の枝分かれを心がけ
三作目で枝先の輪郭線まで作り上げる
時間をかけた計画がまあまあに稔ってきたようです
やはり急ぎすぎてはいけません
さあ、今年の秋もしっかりと剪定しましょう!
剪定後、正面の姿・樹髙20㎝
枝作りの課程では三作ともあまり針金に頼らず、芽摘みと葉切りを励行し
樹勢が落ち着くのを待って、節間の短い枝だけを生かしました
三つ叉の枝や不要枝や不要芽を丁寧に取り除きました
節間の長い枝は極力取り除き、節間が短く中くらいの勢いの枝を残しました
さあこの段階で枝の基本が出来上がったようです
来春以降は枝先作りに専念しますから、急速な樹格の向上が期待できますね
剪定後、やや上方よりの図
これまでの課程で針金に頼りすぎると、輪郭は速くできますが節間の長い枝が多くなる傾向があります
ですから、これからの段階で枝から枝先に針金をかけるようにします
針金かけの時期は慎重を期し、来春の芽出し直前に行えば枝の傷みが少ない
1~2ヶ月で外しましょう
それでは各部を検証してみましょう
まずは甲羅の部分です
右側は水揚げが弱った部分を思い切って削って若返らせて痕、すでに完全肉巻きしています
幹筋から枝、枝から又枝の姿
枝分かれに自然な柔らかさが出てきました
これからはその先の小枝作りに専心します
主幹の先端部分
今年の剪定でかなりの不要枝を外しましたので、ちょっと寂しくなりましたが
主幹の芯は最も大切なところ、慎重に作っていきます
それでは
2009年11月28日土曜日
2009年11月23日月曜日
作る・出猩々もみじ
2006年から手がけている出猩々もみじ、早いものでもう3年半になります
みなさんはここで参考に過去のつれづれ草を参照してください
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プロの間でも、出猩々もみじが小品盆栽に作りにくい樹種であることは知られていますが
じっさいに手がけてみると、改めてその難しさが身にしみます
その難しさの主たる原因は
枝の節間が長い出猩々もみじ特有の性質のためで、しまったいい枝が作りにくいのです
対策としては、制御した培養を心がけながら、節間の長い枝は何度でも切り捨て
同じ場所から節間の短い枝が吹いてくるのを、気長に待つしかありません
そのため何度も堂々巡りを繰り替えさえなければならず
納得のいく枝を得るには、どうしても時間がかかってしまうんですね
ここで言う「いい枝」とは、節間のつまった中加減の勢いの枝で
節間がつまっていても勢いの弱いのや、勢いが強すぎて徒長の激しいものはダメな枝です
今年落葉後の姿
芯は太らせるために徒長させましたが、この徒長芽は使いません
それらの元にしっかりとした短い胴吹き芽がありますから、その芽が将来の芯です
利き枝の先端も徒長していますね
これらも切り込んで手前のしまった枝を使うようにします
あら切り後の姿
上部の赤点がこれからの芯となる芽
利き枝の先端も短く切り込みました
ここで全体の姿を検証してみましょう
・以前に比べてボディーが太って貫禄が出てきました
・現在の赤点の高さが8.0㎝なので、10㎝以内で完成させたとすると、利き枝の位置(枝下髙)がやや高い感じです
・そのため、右の白点の位置に呼び接ぎで枝が欲しくなりました
さらに検証をしているうちに、白線で示した高さから取り木をしても、という構想が浮かんできました
この場合は、現在の古木然としたせっかくの根張りと立ち上がりを捨てることになるので、これも切ない(迷)
ほんとに悩ましいことですね
ということで、来年1年、またまた粘り強く頑張ってみたいと思っています
ところで、残された枝に針金をかけたいのですが
大切な素材ですから、用心して来春の芽だし寸前まで我慢することにします
では
みなさんはここで参考に過去のつれづれ草を参照してください
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プロの間でも、出猩々もみじが小品盆栽に作りにくい樹種であることは知られていますが
じっさいに手がけてみると、改めてその難しさが身にしみます
その難しさの主たる原因は
枝の節間が長い出猩々もみじ特有の性質のためで、しまったいい枝が作りにくいのです
対策としては、制御した培養を心がけながら、節間の長い枝は何度でも切り捨て
同じ場所から節間の短い枝が吹いてくるのを、気長に待つしかありません
そのため何度も堂々巡りを繰り替えさえなければならず
納得のいく枝を得るには、どうしても時間がかかってしまうんですね
ここで言う「いい枝」とは、節間のつまった中加減の勢いの枝で
節間がつまっていても勢いの弱いのや、勢いが強すぎて徒長の激しいものはダメな枝です
今年落葉後の姿
芯は太らせるために徒長させましたが、この徒長芽は使いません
それらの元にしっかりとした短い胴吹き芽がありますから、その芽が将来の芯です
利き枝の先端も徒長していますね
これらも切り込んで手前のしまった枝を使うようにします
あら切り後の姿
上部の赤点がこれからの芯となる芽
利き枝の先端も短く切り込みました
ここで全体の姿を検証してみましょう
・以前に比べてボディーが太って貫禄が出てきました
・現在の赤点の高さが8.0㎝なので、10㎝以内で完成させたとすると、利き枝の位置(枝下髙)がやや高い感じです
・そのため、右の白点の位置に呼び接ぎで枝が欲しくなりました
さらに検証をしているうちに、白線で示した高さから取り木をしても、という構想が浮かんできました
この場合は、現在の古木然としたせっかくの根張りと立ち上がりを捨てることになるので、これも切ない(迷)
ほんとに悩ましいことですね
ということで、来年1年、またまた粘り強く頑張ってみたいと思っています
ところで、残された枝に針金をかけたいのですが
大切な素材ですから、用心して来春の芽だし寸前まで我慢することにします
では
2009年11月10日火曜日
フリースクール速報・楓
イーさんは真面目で誠実な30代半ばの若者で、盆栽大好き人間
細かい作業にも根気がよく、教わったことは最後までなし遂げる持久力を持っています
この1年間の目筋の進歩は目覚ましいものがあり
これまで無我夢中でやってきたことを自分なりに総括し、ここで我が道を見い出し歩き出したようです]
そのイーさんが今年一番力を込めてたのがこの楓
樹高は小品盆栽の範疇ギリギリの19cmです
現在芯の部分を大幅改造中なので、完成樹高は18cm以内に納まる予定
落葉後にはしっかり計画を建てて将来の構図を決めましょう
春の芽出しから夏過ぎまで、芽摘みと葉透かしを何度も繰りかえしました
非常に根気の要る作業ですが、イーさんはがんばりましたよ
この足元の力強さをご覧下さい
赤点までの樹高が19cm、これから摘み込みを実行し、最終的には18cmの樹高を目指します
完成時の樹高では1cmだって短縮するのは、かなりの努力が要りますね
でもきっと、努力家のイーさんならやってのけるでしょう!
心からエールを送っている盆栽屋.comです
細かい作業にも根気がよく、教わったことは最後までなし遂げる持久力を持っています
この1年間の目筋の進歩は目覚ましいものがあり
これまで無我夢中でやってきたことを自分なりに総括し、ここで我が道を見い出し歩き出したようです]
そのイーさんが今年一番力を込めてたのがこの楓
樹高は小品盆栽の範疇ギリギリの19cmです
現在芯の部分を大幅改造中なので、完成樹高は18cm以内に納まる予定
落葉後にはしっかり計画を建てて将来の構図を決めましょう
春の芽出しから夏過ぎまで、芽摘みと葉透かしを何度も繰りかえしました
非常に根気の要る作業ですが、イーさんはがんばりましたよ
この足元の力強さをご覧下さい
赤点までの樹高が19cm、これから摘み込みを実行し、最終的には18cmの樹高を目指します
完成時の樹高では1cmだって短縮するのは、かなりの努力が要りますね
でもきっと、努力家のイーさんならやってのけるでしょう!
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