涌泉鉢が手に入りました 今月はついていましたね、一ヶ月の間に、このようなレベルの高い二鉢もの作品に出会えるなんて
そんな訳でご機嫌です、この際、涌く泉鉢の魅了を詳しく解説してみましょう
まずは今回入手した染付長方鉢からです
風景画の点景としての人物でなく、人物そのものがテーマになっているのは
涌泉といえど極めて珍しい作品です
間口11.2×奥行9.5×高さ4cm
どじょうを獲っているのでしよう、オヤジの顔がユーモラスに描かれているのが印象的です
二人の動作の描写も的確で緊張感があります
こちらの面は釣り人 、ピンと伸びた腕から竹竿が更に伸び、釣り糸の先は水面に吸い込まれています
題材は庶民的ですが、リアルで格調のある絵です
釣り人の足元を見てください
右足を左足の上に組んだところや左足に履いた草履まで丹念に描いていますね
また足元の岸辺や水面の表情など、涌泉の驚異的な描写力にも
改めて感動させられます
岸に繋いだ漁師舟
松と岸辺の描写
月之輪涌泉と釘彫り落款
水穴の付近の色からも使い込みの古さがわかります
涌泉は自らも盆栽を愛好したと伝えられます
水はけを考慮した五ツ穴からも、そのことがうかがえます
涌く泉のボディーの作り方には大まかに三通りあるようです
丸型はロクロ
角型はタタラと彫り込みです
この作品は彫り込み法
大まかに作ったボディーを彫り込みにより最終仕上げをする方法です
撫角の鉢に多く使われています
内側に彫りこみの際のヘラ跡が残っているのが
かえって作者の手の温もりを感じさせてくれます
落款の拡大図
注
近年涌泉の贋物が横行していますが
字体などはそっくり真似していて、落款優先の識別はアブナイ
あくまで涌泉の作風、とくに絵の力量から鑑定すべきです
この項続きます
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