盆栽界では、中国で作られた盆栽鉢を支那鉢(しなばち)と通称していますが
最近では中国鉢と記述するようになっています
明治以後、積極的に中国大陸に進出し属国化政策をとっていた日本では
支那、支那人、支那そば、支那服などという言葉は、あたりまえのように使われていたのでしょう
しかし、現代ではそれが中国や中国人を蔑視する差別用語とされと判断され改められています
同じような理由で、朝鮮ソロと呼ばれていた樹種が岩シデと呼ばれるようになり
国風展の記念帖の記述もそのように改められました
盆栽人の率直な感覚から言うと、中国鉢という呼び方は何か新しいものというイメージがしますね
皆さんだって、支那鉢と呼ぶと、いっぱしの盆栽通になった気がしませんか
これ以上踏み込むとテーマが重くなってしまいます
以後は古くとも新しくとも中国で作られた鉢は、すべて中国鉢と呼んでいきます
制作年代は、従来のように新渡(しんとう)、中渡(なかわたり)、古渡(こわたり)
などの呼称をつけて区別するようにします
古渡絵紫泥外縁隅入額入二段切足長方樹盆
(こわたり・えしでい・そとえん・すみいり・がくいり・にだんきりあし・ちょうほう・じゅぼん)7
盆栽界の通例で、古渡りとは明治前期以前に制作されたと考えられる作品です
中渡はそれ以後から終戦まで、終戦以後の輸入品は新渡と呼ばれます
昭和後期から平成になっての輸入品は、新々渡(しんしんとう)と呼ばれています
もちろん、これはおおざっぱな区切りであることには違いありません
二段切足
ただの平足と違って二段になっています
隅入
角をへこましてあります、これを隅入り型と呼びます
額入
胴に額を切ってへこましてあります
額入りには入額(いりがく)と出額(でがく)があります
この場合はへこんでいるので入額です
日本独自のお家芸のように考えられている盆栽や盆栽鉢ですが
そのルーツは古代の中国にあります
中国鉢の勉強をすることによって、より多くのことがわかってきます
今日はこのくらいです、おいおいに勉強していきましょう
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