現在の水石界は盆栽界と姉妹関係にあるとはいえ、一応別ジャンルとされています
最近、そうですね、およそこの30年くらいの間に
業界も区別がより明確になってきて、水石界が次第に独立してきたといえます
それ以前は、ほとんどの盆栽屋が水石を扱っていましたが、今ではごく少数派になりました
水石を主に扱う盆栽屋の中には、水石専門の業者となる人も出現してきたからです
ところで、二つの業界にはちょっと面白い傾向があります
お話したように、盆栽屋の中で水石を商う業者は少数派ですが、います
また、盆栽屋のほとんどが水石に興味があります
商品としての水石は扱わなくとも、個人の趣味や飾りの必要性から
水石を一つも持たない盆栽屋はいないのです
ところが、水石専門業者で盆栽を扱う人はほとんど皆無ですし
趣味的にでも盆栽を持っている人もほとんど見たことがありません
ことの是非でなく、傾向として、非常に興味のあることです
この要因はいろいろに考えられますが、その話題はまたの機会にしましょう
さて佐治川の遠山石の鑑賞です
佐治川遠山石 (Sajigawa-ishi) 間口40×奥行15×高さ5.5cm
穏やかな頂をもった遠山石
頂からなだらかな山々が連なり、末端はいつしか中央の盆地からせりあがった平野へ溶けこんでいます
日本各地に見られる穏やかな風景です
佐治川石独特の石の目が大地の起伏を表し、景観は非常にデリケートです
持ち込みの古さも申し分ありません
石の肌合いもよく見えます
斜めの筋が佐治川石の特徴です
穏やかなふくらみを持った山裾
ここでも斜めの筋が複雑な地形を表現して魅力的です
後ろ姿
中央前面の低い盆地を囲んだ全景がよくわかります
石の底部
これほどに薄型の石の台座が宙に浮かしても外れません
高度な技術、理想の台座です
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