2004年2月24日火曜日
水石の鑑賞
与十郎石
広い平野の遥か彼方に山々が連なり
美しい品格のある主峰には控えめに副峰が添っています
主峰の山裾の微妙な変化は山の奥行きの深さを表し
その景観は大きくそしてあくまで静寂です
平野も細かい起伏があり変化にとみ
景観はこれによってもさらなる広がりを感じさせてくれます
主峰と織成す山々の位置もよく
景色は左右へと限りなくのびていきます
さて与十郎石の話です
水石界で与十郎石はあまりにも有名ですが
その作出者であるといわれている与十郎の人物については、ほとんど知られていません
伝説上の人物だと思っている人もいるくらいです
水石界の古老の話によると、与十郎は実在の人物です
加工技術が天才的であることはその作品で知られていますが
原石を探し出す才能にも優れていました
それを併せ備えていたからこそ、彼の天才的技術が生かされ
今日の水石界において高い評価を得ているとさえ言えるのでしょう
この角度から見ると、連山とそれを囲む平野の地形が、実在の山々の鳥瞰図のようです
加えて半世紀以上の年月の時代感がその作品になお深みを与えています
拡大図
拡大図
拡大図
朝日を浴びて輝く連山といった景観を想像できます
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