珍しく大きなサイズの大助鉢に出会いました
間口は16cmで奥行きも14cmあります
国風展などに出品される、樹高15cmから20cmくらいの小品盆栽を入れるのにピッタリのサイズです
大助の鉢は10cm以下の作品が多く、これほど大きなものは稀です
小鉢のサイズは、その作家の好みと生きた時代の盆栽の流行の影響を色濃く反映していて
大助の時代の小品盆栽の主流は今よりもやや小さい目だったので、作品の多くはそれに比例したサイズです
例えば、現役の鉢作家の月香の作品をサイズの面から考証してみると
後期になるほど大きめの作品に挑戦しています
やはり時代の要請ともいえるものが作家を動かしているのでしょう
佐野大助作 五彩絵付楕円樹盆(ごさいえつけだえんじゅぼん)
大助中期の作品
前後に大きく額を切り渋い山水画を描いています
基調になる瑠璃釉薬は大助作品の代表的なもので
深い輝きのある発色で、品格があります
全体の作風は「東福寺」の影響が強く感じられます
胴の線、足の形、奥行き、間口と深みのバランスなどに色濃くそれが見られます
この鉢の最も優れた特徴は、大助作品としては珍しく間口16cmの寸法があることです
大助作品は大きくとも10cm前後のものが多く、このサイズは実用名鉢としての付加価値も備わっています
渋い色調の山水画
側面をのぞく角度より
奥行きもたっぷりあります
足は二段切り足、東福寺にもこの形の足が多く見られます
絵付け部分の拡大図
写実風の筆のタッチ、力がこもっています
船上の主従、会話が聞こえてくるような雰囲気です
大助の描く人物は生きいきとしていますね
0 件のコメント:
コメントを投稿