2004年2月3日火曜日

熊柳

灰色に荒れる独特の木肌、房状の真紅の実、野趣にとんだ枝打ち
熊柳は私の好きな樹種の一つです

各地の野山に自生していますが、山採りでは大きすぎて無理でしょう
小品盆栽では、長く鉢の中で持ち込んで古色を出すのが一番です

熊柳の花と実の関係には他に見られない特色があります

春に咲いた花は年内は実にならずに、しおれたようになって年を越し
翌春になるとそのしおれた花「実)が、みるみる色づき真紅の実になるのです

二年がかりで実が付くということで
これは珍しくおもしろい性質です


最近手に入れた熊柳、樹高はわずか12cmですが、大木のように見え
根元から立ち上がりに動きがあり、幹の模様も変化があります

かなりの持ち込み品で、木肌はバリバリ、風雅といえる趣がにじみ出ていますね
地味な印象がある熊柳ですから、よけいに時代感を感じます

小品盆栽でこのレベルのものにはなかなか出会えません
幹に切り傷がないことから、幼い頃から大事に持ち込まれた生い立ちもうかがえます


どうです、この肌のようす、渋いですね


冬の間はしおれたような実のようす
これが春になると膨らんで真紅に色づきます、きれいですよ


枝もかなりほぐれています
今一息でもっと密で素晴らしい枝になります


後ろ姿

0 件のコメント:

コメントを投稿