灰色に荒れる独特の木肌、房状の真紅の実、野趣にとんだ枝打ち
熊柳は私の好きな樹種の一つです
各地の野山に自生していますが、山採りでは大きすぎて無理でしょう
小品盆栽では、長く鉢の中で持ち込んで古色を出すのが一番です
熊柳の花と実の関係には他に見られない特色があります
春に咲いた花は年内は実にならずに、しおれたようになって年を越し
翌春になるとそのしおれた花「実)が、みるみる色づき真紅の実になるのです
二年がかりで実が付くということで
これは珍しくおもしろい性質です
最近手に入れた熊柳、樹高はわずか12cmですが、大木のように見え
根元から立ち上がりに動きがあり、幹の模様も変化があります
かなりの持ち込み品で、木肌はバリバリ、風雅といえる趣がにじみ出ていますね
地味な印象がある熊柳ですから、よけいに時代感を感じます
小品盆栽でこのレベルのものにはなかなか出会えません
幹に切り傷がないことから、幼い頃から大事に持ち込まれた生い立ちもうかがえます
どうです、この肌のようす、渋いですね
冬の間はしおれたような実のようす
これが春になると膨らんで真紅に色づきます、きれいですよ
枝もかなりほぐれています
今一息でもっと密で素晴らしい枝になります
後ろ姿
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