2012年5月12日土曜日

けやき実生挿し木・その1

けやきの箒作りのもっとも基本となる
真っ直ぐな立ち上がりと八方根張りを実現するための技法が実生挿し木

もちろんある程度の成木になってからの取木も可能ですが
とくにミニサイズ(15㎝以下)の箒作りの場合は、実生からじっくりと作り込んでみたいものです

そこでフリースクールのみなさんにも、基本から体験してもらいたいとの思いで
秋に採取した種子を冷蔵庫で保管し、3月19日(彼岸)に播種しました


早いものは4月中旬には発芽し、最初に貝割れ葉(円い葉)が出て
その先に本葉が伸びかかってきます

まだこの段階では、実生挿し木を実行するには
やや早すぎます


早くともこのように貝割れ葉の先に本葉が出て、それがやや固まるころまで我慢
やや早めながら、このあたりからが実生挿し木の実行可能な時期となります


最初の本葉が固まり、それに交叉するように左右に出てきた葉を十字葉といいます
このあたりまで我慢すれば、かなり活着率もよくなります


ただし、下の画像(本葉の出始め)と見比べてください
この時期になると、貝割れ葉と本葉の間がかなり伸びていますね

ですから、ミニサイズを目指すひとは、管理に手間がかかり活着率が落ちるのを覚悟して
早め早めに挿し木を実行し、可能な限りサイズの短縮を計るわけです

ですから、実行される方は種子を多めに播いて、それらの発芽と成長にあわせ
順番にいろいろな成長の段階で実行していけばよろしいでしょう

それでは実際の作業に進みましょう


作業日 4月25日

貝割れ葉の上に本葉が出始めた段階の苗
ちょっと早めで活着率は落ちるけれど、実生挿し木が可能な段階に入りました


作業日 4月25日

絶対に乾かしてはいけませんから
あらかじめ水を入れたバケツを用意してから苗を採取すること


作業日 4月25日

輪切りした大根がまな板になります

長い矢印が貝割れ葉と本葉

本葉の位置が最初の枝分かれになるので
枝下の長さは目的によってどこから切っても自由ですね

つまり樹髙の低い木を望むならば貝割れ葉の下1㎝くらいで
高い木ならばできるだけ根に近い箇所で切ることになります


作業日 4月25日

よく切れるカッターを使いましょう
貝割れの約1.5㎝ほどで切りました


作業日 4月25日

この苗は約2.0㎝くらいはあるでしょうね


作業日 4月25日

こんな感じ


作業日 4月25日

実際に計ってみましょう


作業日 4月25日

この苗は本葉が既に固まり
十字葉が出てきた段階ですね

このように、同じ日に播種して、発芽と成長は一様ではありませんから
約一ヶ月くらいの間に順番に実行が可能です

つづく

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