市川苔州の全盛期は、昭和初期の約10年間くらいだったといわれています
それは多くの作品を考察してみると理解できます
つまり、全盛期と思われる作風の似た作品群が存在するからです
その作品群の代表的な釉薬に小豆釉があり
ご紹介する鉄鉢式(てっぱつしき)もその時代の代表的な形です
市川苔州作 小豆釉鉄鉢式丸型樹盆(あずきゆうてっぱしきたまるがたじゅぼん)
炎のいたずらにより微妙な窯変が見られます
胴を斜めに横切る雲のようです
こちらの角度にも見えます
裏正面には窯変がありませんね
窯変の部分は炎が強く当たったのでしょうか、釉薬がドロッと層になって流れています
この鉢の見どころです
苔州独特の鉄分の多い土目
釉薬の色彩は土に含まれる成分の影響を強く受けます
土の拡大図
黒い粒々が鉄分です
この鉄分の影響を受けて苔州の釉薬は渋い味わいがあるのです
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