2019年9月5日木曜日

越前文山窯

以前からちょっと気になっていた越前文山窯の作品ですが、なかなか手に入れる機会に恵まれないでいました。
価格も手ごろだし、おかしな言い方ですが、鉢じたいいかにも高級品でございますと気取っているわけではありません。
文山鉢に出会ったときにまず第一に感じる印象は、作者さん自体の作陶の精神の表れそのものだと私は思っています。文山の場合は、力まず、気取らず、おごらずに一生懸命楽し気に土と格闘している感じです。
世に言う名人による名作、と呼ばれる作品とはひと味もふた味も異なる親しみにあふれた感動が伝わってくるのが特徴です。


越前文山手籠式(黄釉飛び辰砂)間口12×奥行き12×高さ14㎝

大胆にに辰砂釉を散らした躍動感あふれる意匠は活力に満ちて楽しい。やや大きめにデザインされた手籠の部分が特にいい感じである。

越前文山手籠式(緑釉掛け流し)間口9.0×奥行き9.0×高さ10.5㎝

白釉に透明感のある緑釉を掛け流した東福寺ばりの佳品。釉薬の美しさが際立っています。

越前文山楕円(高取釉)間口12×奥行き9.0×高さ3.0㎝

ここにも東福寺の影響らしきものが感じられる。明るめの力強い高取釉は楕円蜂の造形をさらに引き立てて秀逸です。

越前文残縄縁丸(桃花釉)間口15.5×奥行き15.5×高さ6.0㎝

重厚感あふれた意匠をやわらかく包んだ桃花釉の暖かい印象が楽しい。

以上のように、旧来の観念にとらわれない斬新な色彩感覚を第一の特徴とした、楽しい作品です。こんごとも楽しませていただきましょうー!


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