本郷昇作・紫檀小品巻卓(したん・しょうひん・まきじょく)
本郷昇氏(故人)は優れた木工家で、多摩美術大学の木工科の講師を勤めた経歴があります
盆栽界においては、弟の本郷寿山氏の方が名を知られていますが
それは、寿山氏の活動拠点が主として盆栽界にあったからでしょう
卓台の鑑定や鑑賞にもいくつかのポイントがあります
材質やデザインはもちろんです
最後の漆の仕上げも大切です
それらの点で、この小さな巻卓(足の部分が内側に巻いているのでそう呼びます)は申し分ない出来栄えです
ところで、巻いた足の部分を見てください
グルット一刀のもとに内側を削り取っています
その刃物がえぐった線が、半円形に見えます
その線の見事さを見ていただきたいのです
なんのためらいもない、熟練の技です
このように、木工品には人間の技が垣間見えるポイントが必ずあります
作品の優劣を決めるポイントの一つとして、憶えてください
0 件のコメント:
コメントを投稿