「先生、この五葉に針金かけられるかね、もう1年待ったほうがいいかな」
ターさんが持参した五葉松、素材とはいえ模様が激しくかなりおもしろい持ち込みもの
たしかに葉数は少ないけれど、葉の艶はまあまあだし、冬芽が活き活きとしいる
「だいじょうぶ、だいじょうぶ、葉数は少ないけど、冬芽がしっかりしてるからね」
というわけで、針金かけの作業にかかるkとにしました
ところで小品盆栽の場合、ニューム線ではどうしても太めになるので、細かい箇所への作業がやりにくし
せっかくの矯正も外したあとに姿が戻ってしまいやすい
というわけで、骨格を本格的に決める場合は銅線を使ってやるべきですね
作業前に私がターさんにアドバイスした点は
1 構想をしっかりと描く
2 まず最初に、太めの芯針金(しんばりがね)を幹や枝の各主要部にかける作業から始める
3 あくまで骨格の構想を重視し、途中では各細部には気をとられないで作業を進める
4 針金の巻き方の見た目にはあまり拘らずに、針金の間隔をやや密にする(小品盆栽であるため)
5 コンパクトに仕上げるために、やや太めの銅線を選ぶ
でした
針金掛け完成の姿
うっかりして作業前の姿の撮影を忘れてしまったのです、もったいなかった!
作業が進んで少しずつ構図が見えてくると、ターさんは俄然やる気じゅうぶんで、相棒のツカさんもあっけにとられるくらい(笑)
とうとう午前中から午後の5時まで集中して仕上げてしまいました
うまくいきましたよ、小品盆栽らしいまとまりと強い幹模様を強調した動きのある姿ですね
これに自信をつけたターさんは、しばらくのあいだ五葉松の素材ばかりが目につくでしょうね(笑)
樹冠部ふきんと芯の拡大図
ちょっと針金が太いと思う方もいるでしょうが、基本の骨格をコンパクトにまとめるには、時にはこれくらいの冒険が必要です
後部やや上方からの姿
太めの針金をかけて幹や枝を強くまげるときには、指先の力だけでは無理なので
ヤットコで針金をしっかり掴んで曲げるといい(先端が角になったペンチでは針金を傷つけてしまうのでダメ)
さてここでワンポイントレッスン
途中でターさんもやってしまった小さなミスですが、大切なことなので復習しておきましょう
このように先端に向けて針金を巻いてきたきた場合、二叉の手前で針金を止めてはいけません
赤点間の矢印の部分は曲げることができなくなるからです
このように先端に向かった針金を二叉の一方(赤矢印)まで巻き、もう一本のより細い針金を二叉の部分にもかけるようにします
つまりお互いの針金にはつながりができて、力が連続して伝わるからです
このような具合に連続した曲を作ることができますね
★ 針金にはできるだけ連続性を持たせよう!
では
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