2019年5月17日金曜日

掘り出し物(山もみじ)

私達が所属する日本盆栽協同組合の本拠地である「上野グリーンクラブ」は、上野公園内(上野動物園に隣接)にあって、組合主催の盆栽展示会のほか、毎月一回の公設の盆栽競り市が開かれます。公設であるためにその競り市には一般の愛好家さんは参加できませんが、クラブ内には常設の売店がもうけられており、大衆的な盆栽素材から高級品までが常時定価販売されています。
そこで、時間のあるときなどは私達(プロ)も、たまにはじっくりと売店内を見て歩き、掘り出し物探しに精を出すこともあるんですよ。この売店へ出品されているのは私たちと同じプロの盆栽屋なので、いわば、同業者の同士討ちと云うことになるんですね。

5月16日(木)は午前10時からの通常総会が早めに終わったので、穏やかな薫風に吹かれながらのんびりと掘り出し物探し。

私と同じ千葉県内の業者が出品している山もみじの懸崖が目につきました。かなり古い木で全体に根上がり状。こちらが正面のようです。
幸い本人も居たので、電話でなく直に値段の交渉ができるのがうれしい。

裏から見ても根と下垂した幹の模様はなかなか味がある。そしてミニながら力感も感じられる。

幹の古さは抜群で、切り傷もない。深山奥山の岸壁にかろうじてへばりついた険しい風景です。

値札を見る。これが廉い! 
なんと¥19、000と記されているではないか。個性的な樹形、この古木感、で、この定価!
定価のままで買ったって、後悔するようなことはない。しかし我が盆栽屋.comには家訓とも云うべき根切りのテクニック5ヶ条がある。その第2条にしたがえば、定価が廉いときは必ず値切れ、とある。

家訓に従い廉いのを承知でさらに冷徹に値切って、¥13、000で交渉成立。まさにに特別価格!!

この角度も味わいがありますね。葉性も細かくて枝先も繊細で素質は上々。


厳しい断崖を彷彿させる景色。紅葉時などはさらに見ごたえがあるでしょう。

徒長していた新芽を摘み込み、片葉透かしを施してフトコロに風と日光を供給してやろう。

現在はこちらを裏側としますが、根の変化が捨てがたい味をもっているので
正式には落葉後に決めることとします。

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