どうしても欲しいところに根張りがない
そんなくやしい思いをした愛好家さんは大勢いらっしゃるでしょう
たかが根張り1本とはいえ、盆栽人にとっては
何ものにも代え難くたいせつなんですね
今日ご紹介する楓も、昨春期待して植替えたところ
いちばん肝腎な足元の踏ん張りどころに根張りがなかったのです
まだ素材の段階ではありますが、立ち上がりや幹筋の模様に愛嬌があって、こいつはものになるぞ
そう期待してそれまでの1年間めんどうを見てきただけに、そのときはがっくりしました
他の位置の根張りはすでに甲羅状になっているだけに
よけいにくやしかったことを覚えています
そこで、もっとも欲しい位置に1本だけ貫通式の根接ぎを施しました
その結果をご覧に入れましょう
根接ぎの結果確認のために根をほぐしてみます
後ろに突き出ているのが貫通式の苗の頭部分です
どうですか、いい根でしょう
ちょっと見ではどの部分が接いだ根なのか判然としないほどです
ここです
ここにドリルで穴を開けて楓の実生苗を通したんですね
1年が経って、糸のように細かったひげ根も順調に太りました
見たところ一箇所から4本に分岐していますね
このまま4本すべてを残しておくと、熱をもってしまいかえって醜いコブ状になったら大変ですから
1本はもとから切り、もうい本は1㎝ほどに短く追い込み、勢いを制御しました
ところで、この角度から見ると他の根も接いだようにおもえてしまうほどに
元気よくいい位置からたくさんの根が出ていますね、楽しみです
底の部分の根だってこんなにきれいですよ
もう1~2年この仕立鉢で樹形の骨格作りをする予定
接いだ頭の部分の切り離しは、安全を期して入梅以降に行ないます
決して焦ってはいけません
0 件のコメント:
コメントを投稿