その昔、椿といえば庭木として楽しむのが一般で、たまたま盆栽を見かけても
多くは大きな盆栽でしたし、それも鉢植えの域を出ない感じのものがほとんどでした
でも最近では、普通サイズの盆栽はおろか
ミニサイズの世界にもなかなか優秀なものが見られるようになりました
高い技術と強い意欲と並外れた根気をもったひとがいるんですね
そのおかげで盆栽界も地味ながら日々進歩しています
樹髙15㎝ほどの「越前小薮」という品種の椿
やわらかな幹模様
とくに足元の安定感が目をひきますね
品種名は、越前地方の小輪の薮椿という意味ですね
花弁が開く前の蕾がふくらんできたところに、たまらない風情が感じられます
ところで、幹筋をよく観察してください
足元から幹筋の上部までは薮椿で、芯や一の枝はこの薮椿を台木にして接木して仕立ててあります
この薮椿の台木をこしらえるのには、実生した苗に曲をつけて5年もかかるんですよ
そして、さらに枝や芯を接木して3~4年の年月をかけたのが、現在の姿ということです
このように、ちょっと盆栽らしい姿を作り込むのに
かるく10年近い歳月がかかるんですね
出雲大社という品種
深紅の一重小輪で、昔から人気の高い名品種です
椿の花はふくよかに見えていながら
ひっそりとした趣も兼ねそなえた盆栽向きの樹種です
培養も容易ですからもっともっと流行ってほしい
そして、さらなる名木の出現が待ち遠しいところですね
では
0 件のコメント:
コメントを投稿