何年か前に、このけやきの古木の骨格をクロちゃんから見せられたとき
これはひょっとすると意外な大もの君になるぞ、と思った記憶があります
素材の骨格を見抜いたクロちゃんが
大手術を施してまったくの種木から仕立て上げたものです
「けやきは箒作りと段作り」が定番で、模様木などそれら以外の樹形は盆栽界で認知されにくい
そんな風潮が存在するのは確かなことです
しかし、足元の力強さといい、幹模様の自然さといい、繊細な味わいをみせる枝振りといい
古木感にあふれた堂々たる風格はみごとで、決して不自然さは感じられません
樹種により自然界にはありにくい樹形であっても、そのような例は他の樹種ではいくらでもあって
何の抵抗もなく盆栽界に受け入れられています
このけやきは、盆栽界の固定観念に対して
こだわらない自由な精神で挑んだ力作であり、みごとな成果を上げていると思います
けやきばかりが何故故に定番樹形でなければならないのか、そんなのおかしい、もっと積極的に評価すべきだ
そう思うのは実物の迫力と持ち込みのよさが放つ風格のせいでしょう
2011年の12月撮影
昨年の暮れのスクールにクロちゃんが持ってきました
おもに鉢あわせの相談です
ボディー正面の拡大図
大手術の傷はほとんど癒えて、肉巻きの痕は幹味を醸し出すほどになっています
盆栽においての持ち込みの古さの大切さを、改めて思い知らされますね
後ろ姿
盆栽屋.comからのアドバイス
一、二の枝にもう少しボリュームをつけて予想図のような輪郭線にする
鉢は極力コンパクトにし、次の植替え時には根の底を攻め、現在よりもやや低めに植付ける(もう少し深めの鉢も可)
その2点でした
あと数年で展示会に飾れるレベルに成長するでしょう
ちなみに樹髙は23㎝くらいですから、けやきを主木とした三点飾りか
中品の添えとしてもいいでしょうね
クロちゃん、自信を持ってがんばってください
みなさんも参考に
では
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