超初級から中級くらいまでを中心に(たまには上級編もまじえて)盆栽の手入れに関するご指導する初級・中級盆栽集中講座シリーズです。
- 時期:3月上旬から4月上旬頃まで(冬芽が色づいてきた頃から開きかけるまで)
- 適用樹種:もみじ類・楓類・けやき・姫しゃら・ブナ・赤芽ソロ・カナシデ、カリン、梅、りんごなど(花物、実物を含めて落葉する樹種)
- 目的:古い根を切り土を取り替え活性化をはかる(植え替えこそが長年小さい鉢の中で盆栽が生き続けられる秘密です)
- 道具:剪定鋏・ピンセット・針金きり・やっとこ・竹箸・金ブラシ・フルイ・こて・針金・土・底網など
- レベル:超初級から達人まで絶対必要な盆栽技術(植え替えなくして盆栽なし!)
- ここがポイント
- 植え替え前には事前に鉢の水を切って乾かし加減にしておく
- 針金で根を鉢に固定する
- ゴロを使う
- ミジンを抜いた土を使う
- 隙間なく用土を入れる
- その後の管理:日当たりのよいところへ置く、水を切らさない、風を避ける(日陰に置くと過保護になって何時までも活着が遅れます、せめて半日陰です)
本日の教材は箱根サンショバラです
それらと兄弟の盆栽素材です
素材といってもけっこう古い木ですから
吹流し風な懸崖で充分楽しめます
植え替えのときは手入れの機会でもあります
剥けかけた古い木肌を金ブラシやピンセットで取ってやります
サルスベリのようなきれいな肌が出てきます
実にきれい
でもあまりこすり過ぎて擦り剥けないように注意!
サルスベリ、楓、カリン、しゃらなどは古くなると上側の肌が落ちて
下からもっと時代をおびたきれいな肌が現れます
これが本当の盆栽としての木肌です
お肌の手入れが終わったら本番に入ります
鉢底をみると本格的に仕事がしてあります
太い針金を支点にして細い針金を水穴に通して根をしばってあるのです
こうすればグラグラしないですぐに活着できます
しばっていないと白根が出ても揺られて切れてしまい
植え替え失敗の大きな原因になります
必ず実行!
その針金を切って鉢から抜いてみます
きれいな根がぐるっと廻っています
元気な証拠です
まず根をほぐす前に根張りを掻きだします
傷つけないように!
ほら、土の中に隠れていた根張りが出てきました
これだけの作業で足元は見違えるように太く逞しくなりましたね
根をほぐします
残す目安は雑木の場合は半分くらいです
こんな風に根を切ります
こんなに根を取っちゃって大丈夫?
このくらい取らなきゃダメ!
次にやることは植え込むための鉢の準備
新しい(古いけど)鉢を選びました
針金でこのような形を作ります
知恵の輪みたい!
鉢底にひいた網がずれないためにする、だいじ~なポイント!
初心者は覚えといて、必ず実行!
これをしないと水穴から網がずれて、土がこぼれっちゃう!
でもよく見かけることです
小粒と大粒の用土・赤玉土8に桐生砂2くらいの割合で混ぜたもの
大粒はゴロといって水はけがよくなるように鉢底に敷く(深鉢鉢の場合は深さの2~3割くらいまで)
これも必ず実行!
小品盆栽の場合でもフルイの目で一ミリ以下の細かいみじんは使っちゃいけませんよ
これも鉄則!
ゴロの上に植え土を少し入れてから、木を入れます
周囲に植え土を入れ、根の隙間に土が行き渡るよう竹箸などでつつきます
忘れてる?
そう!
針金で根を固定する作業です
でもご心配なく
今回は簡単で確実な別の方法をご披露します
ご覧下さい、小さい盆栽によくやるんですが
底穴から針金を通して表面に出たらその先端をピンのように曲げます
写真のように針金を支えにして下から引っ張りはちの穴にところで曲げれば出来上がり
余分部分は切れば邪魔になりません
これを二ヶ所やれば完全です
わかりましたか?
最後に鉢の表面にやや細かい化粧土をまいて
コテで仕上げます
そっと如露で水をやって仕上がりです
よくなったでしょ!
初めの姿と比べてみて下さい(エヘン)
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