2015年9月13日日曜日

舞姫の二代目親木(続)

2013/09/11のつれづれ草でご紹介した舞姫の二代目親木

計画では昨年中に新しい芯を呼び接ぎし
今年はその傷口の治癒に励みながら枝作りをしているはずでしたが

昨年樹勢をつけることに手間取ったのと、今年の春から上部の取り木にかかっていたため
政策計画はかなり遅れております


半月ほど前に上部の取木を切り離しました


計画は遅れましたが、上部の取木をやっているうちに
呼び接ぎで新しい芯を作る予定位置に新しい芽(左の赤点)が吹いてくれました、ラッキー!

おまけに2年前に10cmだった足元の左右(赤の左右)が
1cmも太って11cmになっていました、これも予期せぬラッキーです


矢印で示した左の枝が新しい芯になりますが
早ければ来年の入梅ごろに赤線の箇所からの切断が可能です

あらかじめ白点の位置に焼け込み防止用の枝を2~3箇所呼び接ぎしておく予定ですが
それらの活着具合によって幹の切り込み時期が遅れることも考えられます


正面の拡大図


枝配りの予想図

とにかくこの次の最大のポイントは
赤線の箇所の切り戻しと新しい芯を作ってからの幹筋作りです

この程度の骨格になるにはあと2~3年の年月が必要と思われます
みなさん、途中経過をお楽しみに!

2015年9月11日金曜日

秋の長雨と病害予防

半世紀近くも同じ業界にいると日本中といっては大袈裟ですが、少なくとも関東周辺であれば
その土地土地で名のある盆栽屋には一度や二度はたいがい訪ねています

今回台風18号の大雨で氾濫して甚大な被害が出た茨城県の常総市にも
業界最古参と自他ともに認めるTさんという業者がおられて、今年の春ごろ私は何十年ぶりに訪ねたばかりでした

鬼怒川が決壊した場所は、Tさんのところとはかなり距離があるようですが
とにかく何事もないことを祈りながら、テレビでニュースを見ていました


千葉県松戸市内でも、一時は大雨・洪水警報が発令されましたが
私の町は高台なので雨には強い


それに、今回の台風は雨の量は多かったですが
盆栽人のもっとも嫌う「風」は案外弱かったですね、これには助かりました


ご覧のように遮光ネットの乱れはなし、よかった!!


ところで、おおよそ一週間ほど秋の長雨が続きました
このように低温で多湿の環境は盆栽たちにとってあまりうれしくはありません

整理活動は鈍ったところへ、病原菌の活動は活発になりますから気をつけなければなりません
トップジンMやベンレートなどで殺菌消毒しておくといいでしょう


病気予防の消毒のポイントは、図のように枝葉がぐっしょりと濡れて
消毒液の滴(しずく)がたれるほどにタップリやることです

回数の目安は落葉までに2~3回
是非ともお勧めいたします

それじゃあ!

2015年9月8日火曜日

黒松秋の手入れ

愛知のKさんのご依頼で昨年の10月から管理している黒松
2年がかりで取木をし、昨年親木から切り離したそうです

発根の数は僅か1~2本だったようですが、ご本人がおっしゃるように、「素人の怖さ知らずというやつで、
思い切りよく切り離してしまった」のがみごとに功を奏したようです


2015/9/04撮影

今年は、去年松戸に来た時と同じ鉢で
そーっと根の充実を図った一年間でした

短葉法をかけられるほどには春の芽は伸びませんでしたが
短いながらしっかりした芽先です


健康チェックととtもに
改めて将来に向けての樹形を検討してみました

1 立ち上がりの動きと力

2 立ち上がりから芯に至る幹筋の動きやコケ順など 

3 枝順と枝配りのバランス

以上を考慮してあらかたの正面を決めておきます


正面予定位置からの拡大図
赤線は木の全面を邪魔する明らかな不要枝ですから、これを切ります


後ろ姿


枝先の本格的な追い込みは来年以後にやりますが
その前に、古葉の整理をして各枝の強弱のバランスを整えてやりましょう



ピンセットで抜かずに、小バサミで古葉の元を1~2ミリほど残して刈り込む


樹高はわずかに10cmぴったり
それにしても、いい足元ですね

スクールの常連のクロちゃんとトリくんはこの黒松を見て
「すっごい腕前ですね、まいった、まいった」としきりに感嘆していました


来年以後も根作りに励みながら骨格を充実させていきます
また、輪郭線の短縮も心がけます(小さくする)


後ろ姿

根作りがあるレベルに達するまでは、あまり強い針金かけは出来ないので
後ろ姿はまだまだ不自然なところがありますが、ここで焦ってはいけません

ここまでしんぼうしたのですから
じっくり腰を据えて本格的な整姿はもう少し先へ延ばします(一年以上)

2015年9月3日木曜日

五葉松病害予防の消毒

昨年の04/24に「五葉松復活大作戦」という題名でご紹介した五葉松
その後に請われて今ではトリクンの所有物です

さて、その五葉松がとても調子がいいんですよ!

今年は植え替えもせず、そーっと水をかけているだけですが
葉数も格段にふえて色つやもかなり濃くなってきました

ちなみに、肥料は春から油粕の固形を2回、虫害の消毒はを数回やった程度で
置き場は50%の遮光率の寒冷紗の下です


2015/09/03撮影


春の写真と比べると全体にかなり葉数が増え、緑も濃くなっています
ただ、下枝の一部はまだ弱いところもあって来季への宿題が残っています


白線で囲った部分が弱いんですね
葉の色も冴えないし、芽の力が十分ではありません

さて、この衰弱の理由は「葉ふるい病」とは思えませんが
やはり一応、病原菌予防の消毒もしておいた方がいいと思います

ところで、薬剤は何を使いましょうか?
五葉松の病気はほとんどカビ菌類によるものですから、それらに効きそうな薬剤を選びましょうね

それでは

五葉松の病害用消毒薬の一例
トップジン
キノンドール
ダイセン
ボルドー
アグリマイシン

2015年9月1日火曜日

水切れ出猩々その後

水切れで全ての葉が落ちてしまったが、幸い急性だったために再び新しい葉が展開し
ご覧のようにすっかり回復しました

その後は前項の最後でお話ししたように
高温多湿の時期にもみじ類がかかりやすいうどんこ病などから守ってやることが大切です

消毒薬は、私はトップジンを使いましたが
ダコニールなども一般的によく使われますね


入梅期から夏にかけての高温時期はうどんこ病などが発生しやすい
新しい葉が展開しはじめたら、根や鉢土も含めて秋までに数回の消毒をお勧めします


消毒のおかげで新芽や新葉がこのようにきれいに展開しています


このようなきれいな葉が展開しているときもちがいいですね!

よろしいですか?

うどんこ病などの消毒薬は「カビ菌」に効くやつを選んでください
「カビ菌」に効く農薬はたくさんありますよ

それじゃ、よろしく

2015年8月26日水曜日

水切れの症状の見分け方

水切れは、急性よりも慢性の方が症状がひどく、回復しにくいことは既にご存じですね
(この場合の急性とは1~3回分、慢性とはそれ以上の水やり回数を目安とします)

08/21 急性水切れ・出猩々 でお話ししたように症状から判断すると
短期間に葉の大部分が落葉するようなら、案外に助かることが多いんですね

ところが、今日お見せする(↓の山もみじ)ように
まるで造花のように枯れたままの葉が落ちずにずーっとついている

こんな場合は症状に似合わず
ほとんど命は助かりません


葉の枯れた山もみじの超ミニ



指先で触ったくらいでは葉は落ちませんが・・・

先日の猛暑日が続いた数日間
日蔭に取り込んでおいて油断したんですね

気がついたら水が切れて葉がチリチリ
翌日あたりに葉の落ちた他の鉢は、その後に再び芽が吹いて助かりましたが

この鉢だけはご覧のように10日以上葉がついたままです
そして、木はとっくに枯れてしまっています(涙)



枯れ葉の拡大図

このようなかわいそうなことにならないよう
水切れには気をつけましょうね

2015年8月25日火曜日

ちりめん桂取木成功

3週間前の8月2日のスクールにトリクンが持ってきたちりめん桂
聞くところによると、ネットオークションで見つけた掘り出し物であるらしい

画像でおわかりだと思いますが、いずれ追い込むことになる徒長枝を取り木の材料にして
最後は基本の骨格を活かして、主幹のしっかりした株立ちをゲットしようとの魂タンですね

それにしても、トリクンがこのちりめん桂を植え替えたと思ったら
次いでいきなり↓のように2か所に取り木作業(環状剥皮)を始めたにのはびっくり

時期がちょっと遅いんじゃないの?
来年まで我慢した方がいいんじゃない?

ところが、それから23日のスクールまでわずかに3週間しか経っていないのに
ビニールの内側には早くも細いモヤシのように白根が見えてきましたよ

大成功!!

我々の頭の中には「取り木は春先の芽出し前か入梅前」という「常識」が
ドンと大きく居座っていますが

若い人は経験と知識が少ない分だけ、逆に積極果敢になれるともいえるのでしょう
来年まで待つなんてことは考えず、どんどん手を動かしていきますね

このように、若い盆栽人と交わっていると、ほとんど不動のものになっている我々の「常識」なるものがが
不意に揺すりをかけられることに度々遭遇します

そして失敗もありますが、成功すればそれはいずれ確たる技術や理論となって定着し
次の世代に受け繋がっていくわけですね

こんなに猛暑日が続くのに、環状剥皮で短期間に発根した理由は

1 もともと樹勢の素材であった
2 施術が正しく丁寧にされた
3 術後の置き場所が棚下の涼しい場所であった

と考えられます


日の当たらない棚下に置いたので葉の傷みがない
環境さえ整っていれば取り木の適期はもっと幅をもっても可能なようですね

こんな記事もありました


ビニールの内側に白根が見えますね


根っ子の拡大図


2か所とも発根

2015年8月24日月曜日

こぶし狂い咲き(猛暑日復活)

ネット歳時記でおもしろい俳句を見つけました

ほらごらん 猛暑日なんか作るから   中原幸子

夏日・真夏日・猛暑日とだんだん過酷な命名がされるので
極端な呼び方にすっかり慣れてしまったようで、まったく今じゃ猛暑日なんか当たり前ですね

盆栽棚では珍しく紅こぶしが狂い咲きです
この一週間くらいで先端の花芽が膨らんでご覧のように開花してしまいました

春、桜より早く葉が展開する前に開花するこぶしですから
このように緑を背景にするといくらか派手な感じがしますね

本番はちょっぴり寂しげな雰囲気をもった花だと感じているんですが
みなさんはどんな印象をおもちですか?


さて、暑い暑いと言い続けていたこの夏も、立ち止まってみればもう8月も下旬
盆栽人としてやるべき秋の手入れがいっぱい迫ってきています

消毒は?肥料は?
寒冷紗だって一ヶ月以内には外すことになるんですよー!

こりゃ、がんばらなくちゃ!!!
暑さ復活だなんて、だらけていてはいけませんな!!!

2015年8月21日金曜日

急性水切れ・出猩々

昨シーズンからお二人で通っていらっしゃるIさんご夫妻
お二人の今季の課題は、昨年手に入れたこの高級品の出猩々もみじを何とか維持することでした

でした・・・というのは、途中でその出猩々にひと破乱あったからですが
正直、Iさんから「葉が徐々に枯れ落ちてしまいました」とメールを頂いたときはドキっとしました

Iさんのお住まいが高層(13階)とうかがっていましたし
何よりも、まだ二年目の超新人さんですからね


8/20撮影

16日のスクールでお目にかかるまでは
半分くらいは諦めの境地というか、もしものときの覚悟はしておきました

その段階では今ほど新葉は展開されていず
枯れ葉もいくらか残って、もう少し惨めな姿でしたが


さすがベテランのツカさんやヒーさんなどはこの出猩々の
枯れ葉の縮れぐあいや落葉の度合いなどから、おおよその予想はされていたようです

「大丈夫、生きられそうだ!」

もちろん経験の浅いIさんご夫妻には、これから先の成り行きは読めるはずもありませんが
これから盆栽をやっていく上でいい経験になったと思います


入院から4~5日
新葉が力強く展開してきました(枝葉の乱れは改めて剪定しましょう)

よかった!助かりましたね
初めて診察したときに、葉の枯れ方と縮みの症状から見て、これは急性の水切れだと判断しました

大まかに分けて水の切れ方も
徐々に慢性的に水不足が繰り返された場合と、急激ではあっても一時的な水不足による障害とがあります

ちなみに、慢性的水不足の繰り返しによる場合、縮れた枯れ葉がいつまでも落葉せず
急性の場合はゾロっというか、いっぺんに大量の葉が落ちるのが特徴的な症状です

そして、急性の水切れの方が比較的回復しやすく
慢性的な水切れによる葉ふるいは、なかなか立ち直るのが難しいんですね

急性の方がダメージが深部に達していない
そのように判断してよろしいでしょうね

というわけで、Iさんご夫妻の大切な出猩々はどうやら急性の水切れによるもので
もうしばらくの養生により何とか回復しそうな感じです

やれやれ、よかった!!

初期の段階で高級品を枯らすと、それがトラウマになって
その後の趣味人生で足を引っ張られますからね(笑)


出猩々もみじの春の新葉はすべて落ちてしまって
これから出揃うのは新しい葉です

高温多湿の時期は「うどんこ病」などが発生しやすくなりますから
トップジンなどで根と枝葉をしっかりと消毒してやりましょう

2015年8月20日木曜日

くちなし、その後

新芽の裾葉が黄変するピンチにみまわれ
急きょ「トップジン」で消毒して棚下へ避難させたくちなし

あれから約10日ほど経過したので
その後のご報告です


本日(08/20)の写真

相変わらず黄変した裾葉が発生していましたので
それらを掃除してからの写真です


枝葉の拡大図


しかし現在、裾葉が黄変しているとはいえ、10日前のこの写真ほどではありません
このときの消毒とその後の置き場所のお陰で、症状はいくらか改善している感じです


そこで今日も「トップジン」で消毒(ただし、今日は噴霧器で)
バケツへ根を浸すのではなく、霧状の液をたっぷり散布しました


トップジンの消毒液

というわけで、あと一週間ほどこのまま経過を観察するつもりです
枯らすわけにはいきません

では

2015年8月7日金曜日

くちなし、ピンチだ!(続)

再びくちなしのことですが
今の状態で一番の気がかりはやはり裾葉の黄変です
だって

1 水切れなしで
2 強い日当たりを避けたいい環境に置いてあるし
3 鉢穴から白根がはみ出すほどに根の状態はいい

それでも、裾葉が黄変して新芽の伸びもイマイチで
樹勢はややジリヒン状態なんですからね、どうしちゃったんでしょうね?

普通であれば、置場を棚下の日蔭にしてしばらく様子を見る
そんな感じで楽勝の感じなんですが、今回だけは気になって心配でたまりません

ということで、念のためにトップジンの溶液に根を浸すという方法で
しっかりと消毒をすることにしました


トップジンのゾル状の薬品が使いやすい
水で希釈して800~1.000倍液を作ります


枝葉はもちろん鉢ごと2~3時間溶液に漬けておきましょう


このくらい裾葉が黄変するってことは
やっぱり何かしらの病原菌に侵されているのかもしれません


ポイントは最低でも2~3時間浸しておくこと


くちなしの消毒を終わった残りがもったいないので
五葉松もついでにしょうどくしておきました(笑)

この後の経過はまたお知らせします
どうぞよろしく

2015年8月5日水曜日

くちなし、ピンチだ!

庭の盆栽たちが大切で可愛い自分の子供だとすると
盆栽人はみな、とてつもない大家族の生活をしてるわけですね(笑)

そして主人は、まさしく封建時代の家長よろしく
自分の盆栽の隅々まで気を配り、あらかたの状態は把握しているものです

大金をはたいて手に入れたお宝からクラスから、末は実生や挿し木から面倒見てきたものまで
まずは家の子郎党全員が健やかな日常を送れるように気を配っているのですね


さてそんなわけなんですが、現在我が家ではちょっと心配ごとがあるんです

この画像のくちなしクンが衰弱気味で、その原因がはっきりしないので
従って有効な対処法がみつからない中途半端な状態なんです


昨年から我が家にいるんですが、今年の春(4月下旬)に植え替えた後
新芽の伸びがイマイチ鈍くって、新葉の緑色もやや呆けたっきりです

その上に、新芽の裾葉が黄色く脱色して、画像のように生気が出てきません
このまま急に下り坂を転がり落ちるような感じでもないが、Vの字に回復する感じもありません


新芽は鈍いながらもまあまあに上がっていますが
裾葉は順次脱色して落葉しています

緑の色彩色彩も薄いですね
暑さが大好きなくちなしですから、今の時期は深い緑色に輝いていなければいけません


後ろ姿

くちなし特有の形成層が腐る病気の兆候はありません


春の植え替え後の根の成長も順調なようですが・・・


寒冷紗使用の棚上に置いて管理していましたが、入梅明けの激しい暑さが続いているため
この数日は棚下の1時間ほど朝日のあたる場所で様子を見ています

水は過多にならないように
ただし、水切れは絶対だめですね

まずは、裾葉の黄変がおさまってくれることが第一
第二は新芽がもう少し元気よく徒長してくれることです

このままだと「ジリヒンギミ」でかなり苦しい
打つべき積極的な有効な手がない感じ

どうしましょう?

それでは、またご報告いたします