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2021年4月7日水曜日

杉・直幹


杉という樹種は、私たちが盆栽の世界へ足を踏み入れた昭和40年代には、どの愛好家さんの棚にも一鉢くらいは培養されていたものです。さらにその後に訪れた八房ブームともなれば、初心の愛好家さんの棚などは八房の杉の苗で充満していたりしたものです。
ところがその八房ブームが去ったころから、八房はともかく真杉(ますぎ)に至っては一流展示会に出品可能なレベルのものはほとんどお目にかからなくなりました。

杉・直幹 樹高63㎝

杉の木が持っているイメージが他の松泊類の持つ荒々しい大自然ではなく、鎮守の杜のような穏やかな里山の光景を連想させるため、杉イコール直幹の強い印象は相当に根強いものがあり、変幻自在な激しい樹形を好む現代盆栽の傾向にあわなくなったのでしょう。


直幹体であっても変化とリズムを演出するためには単幹だけでなく、双幹や三幹として変化を求めるとよい。


樹冠部はやや大きめにして古木感を演出。枝の長短強弱にも工夫をこらすこと。


下枝を単調に伸ばすのではなく、リズミカルな枝分かれを忘れないこと。


杉盆栽のお手本のような双幹体の逸品に出会いました。八房と違って真杉(ますぎ)は小枝の先端に芽が多く集中しないので、柔らかでシャープな枝先を作ることができます。
作るんならなんと言っても普通の杉(真杉と言います)です。木肌の古色感も間違いなし。

常に部分と全体を見比べて変化と統一を忘れないように、芽摘みと剪定を繰り返します。
それと、水切れは要注意で肥料は多め、フトコロが蒸れないように注意しましょう。

 

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