けやきは日本の里山によく似合う樹木で、私の住む松戸市でも
神社の境内や旧家の屋敷裏など、かなりの古木がそびえ立っている風景が見られます
旺盛な生命力のため、長い年月の盆養(ぼんよう)に耐えることができますし
身近な親しみやすさもあって、昔から盆栽樹種としても不変の人気樹種のひとつです
そしてご存知のように、けやき盆栽といえば箒作りが一般的であり
かつまた、究極の形ともいえるものですね
そこで思い出したのが、4年前に手がけ始めたあの二年生苗はいまどうなっているでしょう
そろそろこのあたりで、みなさんにご披露せねばなりませんね
2007年5月撮影のけやき二年生苗
春に種子を播いて発芽した苗は、翌年になると二年生苗になるので
このけやきは満年齢でいうと、やっと1歳と数ヶ月だったわけです
2006年の春に発芽し1年間シツケを受け冬を越し春の5月を迎え
その時点ですでに、このように箒作りの基本の原形ができあがっています
けやきの箒作りは、真っ直ぐな立ち上がり、鋭角の枝分かれ、細かい枝先
それに安定した根張り、の4つの要素を同時進行で実現させます
もみじや楓のように、途中でのやり直しが利きにくいので
樹勢を平均に保ちながら、一歩一歩着実に作り込んでいくことが求められます
過去のつれづれ草がありますから、参考にして下さい
2007/06/13 2007/07/24 2007/08/03 2007/12/12 2007/12/22
2008/01/21 2007/01/25
最初に紹介した二年生苗の現在の姿が、素焼き鉢に入った左側
今年の春で満で5歳の六年生になるわけで、樹髙は12㎝で幹の直径は約0.9㎝くらいです
右のポットに入った二年生は比較のために添えてみました
こちらは樹髙が10㎝で太さは0.4㎝くらいでしょう
本来ならばもう少し太っているはずなのですが、三年目の植替えとその後の管理を失敗したようで
かなり苦労したんですが、やっとここまでもってこられました
今後の剪定で特に気を作ることをひと言
↑のように輪郭線の乱れを直そうとするときも、一芽一芽をしっかり見極める必要があります
図のように枝の先端がごつくなっている箇所は残してはいけません
丁寧に見極めて芽数の多いごつい箇所は必ず切り取りましょう
一応整いましたが、まだまだ無駄枝やごつい枝先が残っているのでさらに剪定を続けます
絡み枝や徒長枝、込みすぎ枝などを切り取って、輪郭線もそろい樹髙も1㎝しまって現在11㎝
剪定前の画像と見比べて下さい、基本の骨格が目立って木姿に張りが感じられるようになりましたね
それでは
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2011年1月14日金曜日
スクール速報・宮島五葉松
みなさん、今年もよろしく
ようやく正月気分も薄らいで普段の生活が戻ってきましたね
いかがでしたか、今年のみなさんのお正月は?
お正月は、めでたい気分には違いないけれど
暮れの正月の準備が始まるころから、仕事始めの4日くらいまでは、とにかくせわしなく疲れますな
若いころには、元旦は昼頃に起きてお祝い酒をやり、いい気分でまたまたごろ寝を決め込んで
2日と3日には、自分とカミサンの実家へ家族ごと押しかければ、あっという間に正月三が日は終わりました
なんて言ったって、実家の両親にとっての可愛い孫は(私たちの子供)はこちらの手中にあるわけで
歓待してくれなければ正月だって行かないよ、くらいのわがままな気分でした
ところが今では、その親不孝のつけはそっくり自分たちにはね返って来たんですね
せわしないなどと愚痴をいいながら、娘や息子の見え見えの駆け引きに簡単に屈し
カミサンは暮れから正月中、台所で立ちっぱなし
私は娘や息子の顔色をみながら、クリスマスプレゼントやお年玉で二人の孫のご機嫌をとっている始末
親父の威厳はどこへ置いてきたんだ! 母の強さを見せてやれー!(と内心叫ぶ)
だが、カミサンと二人っきりの正月よりはいくらかましか(と慰める)
さてそのあげくのはて、全員が引き上げた4日目には
精根尽き果てボロボロになって寝込んでしまったカミサンにかわって、スパーにおかずを買いに行った私でした
そんなわけで、今年最初の9日の盆栽フリースクールは
私のいつもの日常を取り戻せるいい区切りの一日でした(生徒さんありがとう)
さて、ご紹介す五葉松はターさんの五葉松模様木(宮島性) 樹髙28㎝
宮島性(みやじましょう)というのは五葉松の品種名で、銀色の締った葉で芽吹きがよく丈夫な性質が特徴です
変種のため接ぎ木から繁殖され、江戸時代から受け継げれ広く普及しています
しかし、戦後の盆栽の興隆期あたりから、接ぎ木であることや生産過剰やなどのため
一時は、大衆的なB級品種として扱われる時代が長く続きました
ところが近年、その葉性の美しさや強壮な樹勢などの長所が見直され
接ぎ木ものであっても、いいものはいい、という再評価の声がとみに高まってきています
そこで
私は新年早々
やはり接ぎ木であることから自信を持ちきれずいたターさんに
その偏見をぬぐい去り、自信をもって培養に専心することを説きました
この五葉松の美点はたくさんありますよ
1 まず、盆栽の要素として一番大切な古色感が抜群です
宮島五葉がこれほどの肌を荒れを呈するまでの年月は、まず50年以上は経っています
2 足元から幹筋への模様がよく、表情も豊かです
3 左の一の枝と、それを受ける二の枝のバランスがまことによく
てっぺんまでの枝順も秀逸です
4 南蛮と呼ばれる古い中国の鉢がよく似合っています(小さめなのがいい)
この小さめの鉢での培養は、強壮な宮島五葉松であればこそ可能ともいえます
接ぎ木といわれる宮島五葉松ですが、木肌の荒れにより接いだ箇所がわからないほどですね
赤印の箇所あたりが接いだ箇所です
台木は黒松なので、よく観察すると木肌の荒れ方が上下でやや異なります
ところが、一言でいうとこの五葉松の場合、接ぎ口がかなり低い根元に近い箇所にあることが幸いして
逸品の部類に入る樹格であると評価されるもとになっています
低い接ぎ口と、接ぎ口が目立たなくなるほどの長い培養歴
これが大切ということです
南蛮と呼ばれる中国産の古い鉢
もともとは瓶の蓋であったのを、幕末から明治にかけての通人・文人たちが
その渋さに目をつけ、盆栽鉢として用いるようになって盆栽界に普及しました
後ろ姿もよく整っています
ターさんは約1日半ほどじっくり時間をかけて葉透かし、不要芽の整理、枝の部分的な矯正など
大切な作業を終了しました
今年の秋以降には全体の姿にさらにふくらみが出るでしょう
ターさん、この五葉松、自信をもっていいよ
大切にしてネー!
ようやく正月気分も薄らいで普段の生活が戻ってきましたね
いかがでしたか、今年のみなさんのお正月は?
お正月は、めでたい気分には違いないけれど
暮れの正月の準備が始まるころから、仕事始めの4日くらいまでは、とにかくせわしなく疲れますな
若いころには、元旦は昼頃に起きてお祝い酒をやり、いい気分でまたまたごろ寝を決め込んで
2日と3日には、自分とカミサンの実家へ家族ごと押しかければ、あっという間に正月三が日は終わりました
なんて言ったって、実家の両親にとっての可愛い孫は(私たちの子供)はこちらの手中にあるわけで
歓待してくれなければ正月だって行かないよ、くらいのわがままな気分でした
ところが今では、その親不孝のつけはそっくり自分たちにはね返って来たんですね
せわしないなどと愚痴をいいながら、娘や息子の見え見えの駆け引きに簡単に屈し
カミサンは暮れから正月中、台所で立ちっぱなし
私は娘や息子の顔色をみながら、クリスマスプレゼントやお年玉で二人の孫のご機嫌をとっている始末
親父の威厳はどこへ置いてきたんだ! 母の強さを見せてやれー!(と内心叫ぶ)
だが、カミサンと二人っきりの正月よりはいくらかましか(と慰める)
さてそのあげくのはて、全員が引き上げた4日目には
精根尽き果てボロボロになって寝込んでしまったカミサンにかわって、スパーにおかずを買いに行った私でした
そんなわけで、今年最初の9日の盆栽フリースクールは
私のいつもの日常を取り戻せるいい区切りの一日でした(生徒さんありがとう)
さて、ご紹介す五葉松はターさんの五葉松模様木(宮島性) 樹髙28㎝
宮島性(みやじましょう)というのは五葉松の品種名で、銀色の締った葉で芽吹きがよく丈夫な性質が特徴です
変種のため接ぎ木から繁殖され、江戸時代から受け継げれ広く普及しています
しかし、戦後の盆栽の興隆期あたりから、接ぎ木であることや生産過剰やなどのため
一時は、大衆的なB級品種として扱われる時代が長く続きました
ところが近年、その葉性の美しさや強壮な樹勢などの長所が見直され
接ぎ木ものであっても、いいものはいい、という再評価の声がとみに高まってきています
そこで
私は新年早々
やはり接ぎ木であることから自信を持ちきれずいたターさんに
その偏見をぬぐい去り、自信をもって培養に専心することを説きました
この五葉松の美点はたくさんありますよ
1 まず、盆栽の要素として一番大切な古色感が抜群です
宮島五葉がこれほどの肌を荒れを呈するまでの年月は、まず50年以上は経っています
2 足元から幹筋への模様がよく、表情も豊かです
3 左の一の枝と、それを受ける二の枝のバランスがまことによく
てっぺんまでの枝順も秀逸です
4 南蛮と呼ばれる古い中国の鉢がよく似合っています(小さめなのがいい)
この小さめの鉢での培養は、強壮な宮島五葉松であればこそ可能ともいえます
接ぎ木といわれる宮島五葉松ですが、木肌の荒れにより接いだ箇所がわからないほどですね
赤印の箇所あたりが接いだ箇所です
台木は黒松なので、よく観察すると木肌の荒れ方が上下でやや異なります
ところが、一言でいうとこの五葉松の場合、接ぎ口がかなり低い根元に近い箇所にあることが幸いして
逸品の部類に入る樹格であると評価されるもとになっています
低い接ぎ口と、接ぎ口が目立たなくなるほどの長い培養歴
これが大切ということです
南蛮と呼ばれる中国産の古い鉢
もともとは瓶の蓋であったのを、幕末から明治にかけての通人・文人たちが
その渋さに目をつけ、盆栽鉢として用いるようになって盆栽界に普及しました
後ろ姿もよく整っています
ターさんは約1日半ほどじっくり時間をかけて葉透かし、不要芽の整理、枝の部分的な矯正など
大切な作業を終了しました
今年の秋以降には全体の姿にさらにふくらみが出るでしょう
ターさん、この五葉松、自信をもっていいよ
大切にしてネー!